月別アーカイブ: 2013年6月

7月のお稽古につきまして

すでにお伝えした方もいらっしゃいますが、7月いっぱい、井上はヨーロッパの合気道研修遠征に出かけます。
師匠内田先生のさらに師匠である多田宏先生の、スイス~イタリアに渡るほぼ一カ月の稽古遠征に付いて、今年も武者修行に行くことになりました。

不在の間一カ月もお稽古をお休みするのは申し訳なく思っていましたところ、甲南合気会同門の助教(内田先生不在時に代稽古を担当する)の2名の方が、私の代稽古をしてくださることになりました。

石田大樹さんと、篠原拓嗣さんです。

7月の木曜と日曜、それぞれ2回ずつ、計4回お稽古をしていただきます。
数は少なくて申し訳ありませんが、違う先生の稽古もたいへん勉強になると思いますので、みなさんできるだけ参加してください。
カレンダーにすでにアップしましたのでご確認ください。

お二人はともに、とても穏やかで優しいお人柄です。

石田さんは私の大先輩で、助教として内田先生の代稽古をされるとともに、ご自身でも「足捌きの会」という、合気道の基本である足捌きを中心とした稽古会を主宰しておられ、基礎からきっちりと丁寧な、深い理合に裏付けられたご指導をしていただけると思いますので、ぜひこの機会を逃さないでくださいね。

篠原さんは合気道道場「ささの葉合気会」を神戸・西宮・尼崎の三つの場所で主宰されています。甲南合気会の助教補である篠原さんの指導もたいへん丁寧で、初心者にもわかりやすいご指導をしていただけると思います。
篠原さん独特の理合追求の世界もたいへん面白いので、この機会に是非体験してみてくださいね。
「ささの葉合気会」のお稽古には、私の不在時に限らず、もっとお稽古したい方、興味のある方は参加できますのでお申し出ください。
ささの葉合気会 HP http://www.kirakira.zaq.jp/sasanoha/

というわけで、一カ月、みなさんにはご不便をおかけして申し訳ありませんが、向こうで得たものは必ずや帰国後またみなさんに還元できるものと考えております。

イタリアは今年で3回目、スイスは初めての参加です。
どちらも田舎の道場で、月曜から土曜の午前まで、朝から晩まで合気道三昧、稽古場と宿泊場を往復するのみ、観光などは殆どする暇がなくほぼ稽古のみ一カ月です。
自分の道場を持つようになってみなさんを教える立場になり、ますます修行しなければと痛感する毎日です。
なので、思い切って今回も修行の旅に出ることにしました。
得たものはすべてみなさんに伝えたいと思っています。

どうかご理解頂けましたらありがたく存じます、よろしくお願いいたします。

井上清恵

多田先生 奥州講習会

2013年 5/8~9 初の奥州講習会参加

遠い。
夜行バスで東京まで→東京から水沢江刺まで新幹線、というまぁ交通費節約のためあえて時間のかかる行程で行ったからなのだが。

講習会自体は、初日14時から17時までの3時間と、2日目10時から13時までの3時間の二つで、広島や多田塾合宿に比べればかなりゆったりした、ある意味贅沢な講習会。贅沢といえば、宿泊ホテル(こっちでいうと三井アーバンホテルぐらいのクラス)、ホテルでの懇親会(とてもゴージャスでちゃんとしたパーティー)、二次会(居酒屋)、翌日の昼食わんこそば(これまたゴージャス)といった、稽古以外のおもてなしが素晴らしく、コスパも高くてびっくりだった。

奥州道場からは初心者も多数参加しているにも関わらず、正直、技は難しいものばかりだった。
予想に反して杖・剣はなく、2日各3時間ずつの稽古は、やったことのない体術も盛りだくさんで、技的にも体力的にもついていくのが大変だったので、3時間が丁度よかった気がする。多田先生も、3時間の中に凝縮されたのかもしれない。

それにしても奥州道場は、周辺はのどかな田園地帯で三方に大きな窓が開け放たれ、内田先生もパーティのスピーチで仰ったが、すばらしく気持ちよい涼風が抜けて、へとへとの係り稽古の合間に何度となく癒される、とてもいい道場だった。

内容については書ききれないが、残っている多田先生の言葉をひとつ。

合気道で学ぶべきは、「技ではなく、技をならしめているもの」

6/15(土)光岡英稔先生特別講習会@凱風館 のご案内

韓氏意拳(かんしいけん)という中国由来の武道がありまして、その日本人伝承者である光岡英稔先生(前回ご案内した守伸二朗先生の師匠)の講習会が、井上の所属道場、凱風館にて下記の日時に開催されます。

内田樹先生との共著『荒天の武学』で、すでにご存じの方もいらっしゃると思いますが、韓氏意拳は合気道的にもたいへん有用な理合にあふれていて、面白く奥深い武道です。光岡先生の温厚ながらも眼光鋭い(実際怖い人です)お人柄と、その実戦的かつ哲学的な武道論は、みなさんにもきっと刺激的なものになると思います。

過去にも何度か光岡先生の講習会が凱風館で行われましたが、今回は内田先生から、凱風館門人の第一次知り合いまで参加OKとのことですので、清道館門人のみなさんも参加できます。

ところがたいへん残念なことに、わたし井上はこの日所要があり参加できません。
が、私の代わりに、いつも清道館のお稽古に来ている甲南合気会のメンバーや、凱風館書生にその旨すでにお願いしてありますので大丈夫です!
みなさんをぜひ私から内田先生にご紹介したかったのですが、すみません。
タイミングが合えば甲南のメンバーが紹介してくれると思います。
その後に打ち上げなどがもしあれば遠慮なく参加してください。

参加希望者は井上までメールでお知らせください。
詳細(甲南の世話人)等、また追ってお知らせします。

6/15 土曜日 凱風館にて(神戸市東灘区住吉本町2-11-4
         第一部 14:00~16:00
         第二部 16:00~18:00  
参加費 2,000円 (当日支払)

*上下軽い服装で(道着じゃなくて)OKです。
*道場に入る時、出る時は必ず入口で正座し一礼してから入ってください。

井上

稽古をしていて思うことは、人に伝えること、教えることの難しさと面白さ。

人に伝えるためには四苦八苦してでも、何かしらのことばで表現しなければならない。
でもことばで伝えられることにはもちろん限界がある。

きのう春ちゃん(←若いけど合気道の大々先輩)にかかり稽古でキヨエさんの指導する声が道場中に響いていてすごいと思いました」と言われて赤面。
「ついつい熱が入って説明しすぎるので最近気をつけている。春ちゃんのように、ことばではなく身体や動きで伝えることが大事と思う」
と言ったら逆に春ちゃんは「私はキヨエさんを見ていて、もっとことばで説明しようと思いました」とのこと。ふーん、お互いに逆のことを志向してるんだ。

自分が出来ているかどうかは別として、組んだ相手に「こうしてみたら?」と言ったとたんにその人の技ががらりと変わることがあって、それは無上の喜びなのだが、同時に、相手に対して気づいた問題こそが実はその時の自分の問題だったりして、そのまま自分が相手に説明したことに「そうだったのか」と教えられるのだ。
この相乗効果がたぶん、内田先生がよく言われるところの、「合気道を人に教えると格段に上手くなる」ということなのかもしれない。

さて、
自分の道場では、組んだ相手に教えるというのとはまた訳が違う。
そして当然これが最も難しくておもしろい。

いつもあっという間に時間が経って、やってみたい、試してみたいと思っていることの半分も出来ないで終わることが多い。
あれもこれもと欲張るのは、教えられる側からするとお腹いっぱいかもしれないから、さっきの話じゃないけど気をつけないといけない。

全然動けなかった初心者の門人がふと動けたりする、これがうれしくないわけがない、おもしろくないわけがない、はっきり言ってはまる。
教えることは正直難しい。難しいからこそ面白い。あたりまえのことだけど、実感としてやっとわかるようになった。

清道館を立ち上げて2カ月が経った。
稽古の組み立ては毎回試行錯誤。
あれはあかんかったと反省する毎日だけど、身銭を切って私の稽古に来てくれる人が一人でもいる限りこの試行錯誤を続けていこう。
今の自分の中からその対価として差し出せるものはたかだか知れている。
自分がより高みを目指して稽古し続けること、稽古したすべてを差し出し続けること。
これしかない。
一人でも多くの門人が「合気道って面白い、合気道をやってよかった」と言ってくれることを目指して、小さなことから一歩ずつ(@西川きよし)。

6/4 朝稽古/ヨハンナ稽古

内田先生の朝稽古
【逆半身片手取り】

「相手の身体を伸ばす」
伸ばすと引っ張るは違うということ
押し切りと引き切り、矛盾した二つの動きを同時にやることでキレが生まれる

  入り身投げ二種:歩み足で切って入る/転換して下から取る
  小手返し
  四方投げ二種:手を取らない/手を取る
  一教
  腕を絡める四方投げ(手は掴まない)
  外回転投げ・・・屈筋ではなく伸筋

ヨハンナ稽古
【両手取り】

  天地投げ・・・天の手/地の手を解体して稽古
  四方投げ・・・転換3番/4番
  内回転三教
  十字がらみ投げ