月別アーカイブ: 2014年3月

4/13(日)お稽古中止のお知らせ

じろー先生の送別会、多数ご参加いただきありがとうございました。
またいつか、一緒にお稽古できる日が来ますように。

4/13(日)18:00~ 
北スポーツセンター(中津)でお稽古を予定していましたが、
井上の都合により中止とさせて頂きます。
申し訳ありません。よろしくお願いします。

井上

飛び込んで来る「言葉」  森川 祐子

飛び込んで来る「言葉」                  森川 祐子

その1:「合気道のように」(文芸春秋3月号126頁)
 ジャーナリスト三波一輝なる方の「NHK失言会長はなぜ生まれたのか」という文章をぺろぺろ〜と読んでいたら「合気道のように」という言葉が飛び込んできた。え?えっ? “下の句”は何??と前のめりになって先を読むと「官邸の力を逆手に取り」と続いている。どんな内容かというと要するに、「『官邸主導』の人事が目立つのは確かだが、官僚たちもしてやられるばかりではなく、官邸の力を合気道のように逆手に取って、自分たちの組織に好都合な人事に持ち込む場合もある」というもの。合気道をたとえに使うこと自体が珍しい(私にとっては初めて)のはもちろん、その‘たとえよう’がこれなのか・・・とピンと来ない。確かに合気道は相手と競い合うわけでないので、相手の力をうまく利用して技に生かすという場面はあるけれど(ありますよね、先生?)、それさえも「逆手に取る」というような姑息な手段ではないはず。宇宙のエネルギーをいただこうという壮大で奥の深い合気道を、こんなところでこんなたとえに使ってほしくないな、と思うわけです。だいたいが合気道を一言でくくるなんて無理むりムリなんだから!

その2:「桃色くなる」(「みずうみ」新潮文庫111頁)
 娘から「半端ない」とか「頭変くなりそう」などというメールが来ると、おいおい職場で言うてへんやろね、と心配になる私だけれど、先日川端康成の「みずうみ」を読んでいたら飛び込んできた!この言葉!! ちょっと書き写すと「車のガラスごしに見るものは水色がかる、その対照で、運転席のガラスを落した窓から見るものは桃色くなる」とあります。2頁あとにも「初めて空を桃色く見たころ」というくだりがあり、(当たり前ですけど)誤植でないのは明らか。ここまで書いているあいだにも、さっきからワードのチェック機能で赤の波線が“く”の下にバンバン入ります(なんで“半端ない”の下には入らへんのや?!)。
 去年から川端康成を読み続けていますが、こんな表現には初めて出合ったと思う。なんで? というより、いいの? でも、この部分を「桃色になる」「初めて空が桃色に見えたころ」と書き変えると・・・う〜むインパクトに欠けるな、とも思うから不思議。川端康成の文章はさすがに「美しい日本」語で、簡潔な文章の行間に空間・時間の広がりを感じるけれど、この「桃色くなる」も単に“桃色になる”のではなくて、昔、「(恋人の)久子と会いにタクシイを走らせていた時に」見た光景として「じつは思いがけなく桃色をふくんでいるのだと信じさせられた」という“感覚的な桃色になる”ことを表している・・・ような気もする。いや、待てよ、それは深読みしすぎかも。だって「黄色くなる」「茶色くなる」は抵抗ないぞ。ということは元々何色であれ「〜色くなる」と言ってたけれど、一部の色(例えば青色・緑色・紺色なども)に限って発音上の便宜かなにかで言わないようになったのかな? ならば、まさか「変くなる」って回帰現象? う〜、分からんくなった〜〜。

その3:「東大脳」(車内吊り)
 これは何年か前のことだけれど、地下鉄の車内吊りに「東大脳」という文字を発見! 「大脳—小脳」「前頭葉—後頭葉」「右脳—左脳」ときたから、大脳は「東西南北」に分かれるんや!! 東はなに? 西はどんなん?と目の悪い私は人ごみをかきわけ真下まで行ってまじまじ見たら、「東大脳の子どもに育てるには? 京大脳への近道」みたいな記事だった。なぁんや、しょうもな〜〜(あ、もちろん東大・京大がではなくて、そんな脳は作られません、という意味で)。あんまりしょうもないから、この言い回しは全然はやらなかった(ですよね?)。 でもいつか脳の研究が進んで、大脳が司るお仕事は東西南北に分かれて特徴的だったなんていう論文が出ないとも限らない。けど・・・きっとそれは車内吊りには載らへんな。

 こんなふうに私を目がけて飛び込んで来る言葉も、他の人にはまったく平板な言葉に見えるんだろうな、そして、その逆もまた然りなんだろうな。色々あって面白くて、だから人間やめられません。

おまけの話その1:先日、本棚を掃除していたら「みずうみ」に桃色の付箋を発見。“なんやこれ?”と開けて「桃色く」を再発見した。ほんの数週間前に驚愕して付箋を付けたことをすっかり忘れていた自分に、ただただ驚愕。
おまけの話その2:先週、近所の酒屋でサントリーの“All Free”を買ったときのこと。そこのおっさんが「このアルフィー奥さん飲まはんの?」と聞いたので、思わず歌い出しそう、違う、吹き出しそうになった。おっさんの目には“All Free”は“Alfee”と見えるらしい。このおっさんはいつか「ドイツではふたつ、みっつの頃からビール飲んでるってね、それだけ体にええんですわ、奥さん」と言ったことがあり、仕事で何度かドイツ行ってるけどそんな光景見たことないわ!と心の中で反論して、それからは話半分以下に聞いているんだけど、‘オールフリー’と‘アルフィー’ではカタカナでもアルファベットでも半分以上合ってるから成績いい方?