月別アーカイブ: 2014年5月

5/29(木) 屋形船ツアー

5/29(木) 19時ぐらいから、屋形船をチャーターして飲んで食べよう、という会が、甲南合気会の鯉田さん佐本さんたちで企画されています。天満橋付近から出航するようです。予算は~8000円(参加人数によって変動)ぐらい。

清道館の皆さんもぜひにと言うお誘いですので、奮ってご参加ください。
参加される方は井上まで!

井上

「GOMA」 井上英作

GOMA

ディジュリドゥという楽器がある。世界最古の管楽器と呼ばれているもので、オーストラリアの先住民・アボリジニが使用しているらしい。ディジュリドゥは、シロアリが真ん中部分を食べることにより空洞化したユーカリの木で出来ていて、長いものだと約2m弱といったところだろうか。そのチューブ状の木管から奏でられる音は、地鳴りのような、台風のときに吹いている風のような、そんな原始的な音である。

この楽器奏者で一躍有名になったのがGOMAである。僕は、彼の演奏を今から約20年ほど前、今は亡き「クラブ ダウン」で聞いた。大阪のダブバンド「SOUL FIRE」を見に行ったのだが、そこに彼はゲストで呼ばれていた。ダブトラックをバックに、呪術のような音を奏でるその姿は、ディジュリドゥという楽器のフォルムとも相まって、その夜、強く印象に残った。

それから、特に気にも止めていなかったのだが、彼が大きな交通事故に遭い脳に障害をもっているということは、何となく知っていた。不思議なもので、昨年、普段殆どテレビを見なくなった僕が、彼のドキュメント番組を見ることになった。見ることになったと書いたのは、僕は運命論者で、出会うべきもの、人には必ず出会えるというふうに普段から確信しているからである。

僕は、そのドキュメント番組を見て、ひどくショックを受けた。全く記憶をなくした彼は、事故から数カ月後に、今まで描いたとこともない絵を描き始める。その絵というのが、ドットで構成されたもので、そのことを契機に、少しずつではあるが、回復する様子をカメラは追っている。僕がショックを受けたのは、その絵を構成しているドット、つまり「円」と、ディジュリドゥという楽器の形状が「円」だということ、これらのことは単なる偶然などではなく、根っこのところで何かが繋がっているとういうふうに直感で感じたからだ。キーワードは、「循環=ループ」だと、そのとき強く確信した。

そして、このドキュメント番組を素材に、映画「フラッシュバック メモリーズ 3D」が完成し、作品は各方面で高い評価を受ける。東京でその映画をバックに生演奏をシンクロさせるという4Dライブが好評だったので、地元大阪でもライブを開催することが決まり、当然僕はそのライブを見に行くことにした。

バンド名は、GOMA&JUGLE RHYTHM SECTIONといい、その名のとおり、リズムは、殆ど暴力的といってもいいぐらいのもので、そのリズムをバックにGOMAはディジュリドゥを淡々と吹き続ける。そのGOMAの存在は、神々しくさえ見えた。彼は、ディジュリドゥを吹きながら手を天に向かってくねくねとさせ、それは何か目に見えない何かとずっと対話しているような感じがした。彼はそれを体内に受け入れ、ディジュリドゥを通して外に吐き出す。ループしているのである。ループというのは、根源的な生命のエネルギーそのもので、この「世界」の根源だといってもいいだろうと思う。そんな大きなもの前にした僕たちは、そんなループの中の一瞬の泡みたいなものかもしれない。

彼は、途中のMCでこう言った。
「今までの記憶はなくなってしまったが、それはそれでいいと思っている。僕には、未来があるから。」

岸田秀に言わせると、人間というのは、過去から逃れられない動物だそうだが、それが、
すなわち「生」だとすれば、GOMAは「生」と「死」の丁度真ん中あたりを浮遊していて、
僕たちに根源的な「生」を提示しているようにも思える。

10月、地元大阪で20周年記念ライブが行われる。また、見に行こうと思っている。

「3級審査を通過せよ」 ささの葉合気会 中野論之

3級審査を通過せよ
            ささの葉合気会 中野論之

 人生のオウンゴールを想えばこれぐらいは何でもない。
 凱風館へ向かう途中、金曜日の夜のとばりが下りる間際の暗い道を歩いているとそんな言葉が浮かんできた。審査が近づいてくるにつれ、幾度となく自分に言い聞かせてきた言葉だ。気休めに過ぎなかったかもしれない。それでも今の気分は前回の審査のときとはずいぶん差があった。それほど憂鬱ではない。
 凱風館へ到着した。
 更衣室で着替えて道場へ入る。時刻は2014年3月7日の19時すこし前。中ではもうあちこちで自主稽古に励む人たちの姿が見える。おそらくこれから審査を受けるのだろう。井上清恵先生と清道館の門人4名も見つけた。彼らは3日後に審査を控えており、今日は清恵先生の手引きで、私の審査の見学を兼ねて凱風館まで出稽古へ来ている。平日の朝稽古の最中に審査を受けた前回と比べ、今回はギャラリーの数が相当に多くなりそうな、したがってかなりの緊張と圧迫を感じる審査になると予想された。なにしろ金曜の夜だから。それでも、とある先輩から「夜なら審査を見に行ける」と言われていたので ちょうどよかったとも思う。
 そうこうするうちに全員が道場後方(南側)へ正座して待機する。人数は3列と少し余りが出るていど。やがて内田樹先生がお見えになる。黙想、正面への礼、準備体操。私は道場前方の右の角あたりへ。身体をほぐしていると「男子と女子は対立しているの?」と内田先生が急に言われた。後ろを振り返ると、道場の入口と内田先生を結ぶラインを境として西側に女性ばかりが、東側にほぼ男性が奇しくも集まっていたようだ。道場に笑いが広がる。私も笑う。また後ろ受け身をして畳に身体を慣らすときに左手を見ると、入門したばかりの中学生の少年に受け身の取り方を内田先生が丁寧に説明をされる姿が印象に残った。
 そういえば今日は雰囲気に吞まれていないな、と気づく。過去2回の凱風館での稽古ではこのあたりで緊張して身体が硬くなっていたものだ。人数も少ない、と感じる。ところが稽古のあとで甲南合気会のメンバーに何人か確認したところ「今日は人数が多かった」「いつもの金曜の夜稽古より多い」と誰もが口々に答えるのだった。実際は稽古の人数が多いにもかかわらず、私個人の実感としては「少ない」。この事実と感覚の落差は何とも不思議ではあった。
 呼吸操練と四方斬り、そして門人全員が道場後方へいったん下がる。受けに湯浅和海先生を呼び、片手取りの転換を始める内田先生。細かい説明はなく、そのまま2人組を作って六方向の転換をする。隣にいた清道館の佐藤龍彦さんと組んだ。5番目と6番目の転換は、気をつけていないと周囲の人や道場の壁に佐藤さんを接触させてしまいそうになる。
 別の技へ移るたびに内田先生の動きを必死で見つめる。だが注意して見ているつもりでも、その動きの体感を自分の内部でトレースするのがとても追いつかない。足遣いなどの基本的な手順の話はない代わり、内田先生独特の説明がなされる。——「僕が墨、湯浅くんが紙だよ」「空間が変容する。変容した空間が要求する最適な行動がある」「対立的にならないように。このときが一番、相手と対立しやすい。胸を落として」
 説明が済むとすぐさま全員でその技を実施する。特に入身投げや四方投げといった投げ技の場合は、広々とした公共の施設で行なう稽古ではあまり意識しない周りの状況にも気を遣う。でないと、投げた拍子に受け同士を激しくぶつけるおそれがあるからだ。
 焦りや硬さは身体にない。私が日常的に参加する稽古の場と比べて明らかにペースが速いはずなのに。これから審査を受けるというのに。ギャラリーの前でいくつもの技を披露しなければならないのに……。二度目の審査だから多少は慣れたことも無関係ではないだろう。ただ私には、あまり審査を関門のように捉えるのもどうかという気持ちが少なからず影響していると思われた。
 審査を突破すべき対象だと考えるか。
 それとも通過点として視るのか。
 等量の負荷をかけられた場合に より受け流しやすいのはどちらだろう。通過するだけならそれほど気負う必要もないのでは? できることなら「通過する」という意識でいるほうが自然体に近い状態で審査に臨める気がする。突破ではなく、3級審査を通過せよ——と、そんなことをいくら頭で理解はしても、身体レベルで納得できなくては仕方がない。だから私は審査の日まで、なるべく稽古をすることで ひたすらあがき続けてきた。あとは身体が何とかしてくれる、そう信じられるぐらいまで。
 審査が始まる。
 門人全員が道場の後ろへいったん下がって正座する。人数は3列と半分ていど。会社帰りなどで遅れてきた人のぶんだけ人数が増えたものと推測される。最初は女性の5級審査から。ギャラリーから見て最前列の左端で永山春菜さんがカメラを回す。
 5級審査が終わった。次の審査へ移る。「中野くん」と内田先生に呼ばれる。ひょっとして、と予感していたとおり本日の3級審査を受ける男性は私一人だ。もういまさら驚きもしない。前へ出ていって内田先生と礼。誰か受けの人、と言われて大平佳規さんが来てくれようとしたところ、このあと1級審査を受ける身だからと下がってもらう。代わりに受けとして来てもらったのは大山順平さん・齋藤剛さん・松下昌裕さん。4人で互いに礼。両手取り天地投げから開始する。立ち上がって足を止めずにこちらから動き出したとたん、身体の内側に微かな震えがあるのを感じとる。緊張か、恐怖か。それでも気にせず技をかけると、すぐに震えは消滅した。入身投げ・小手返し、四方投げの表と裏。動き続けていると頭の中から言葉が消え、ただ身体だけで感覚を感じるようになる。続いて一教の表と裏。さっと出した両手を取らせて技をかける。少し息苦しさを感じるが、かまわず動くうちに楽になった。上昇した心拍数が平常よりも速い状態で安定したのだろう。そして二教の裏を極めて受けの大山さんの右腕から手を離したとき、固めをやり直すようにと内田先生から注意された。が、何を指摘されたのか とっさに理解できず、一瞬の間のあとに私は立ち上がって再び二教の裏をかけようと松下さんに向かっていた。どこかを間違えたらしいとは悟ったものの、どこを間違えたのか わからない。「もう一度、二教の裏」と内田先生の声が追いかけてくる。松下さんに技をかけている最中に「ああ、二教の裏なのに一教のやり方で極めてしまったんだな」と気づいた。今度はきちんと相手の腕を抱えこむようにして極める。この審査で唯一の明確な失敗とはいえ、そこに気持ちを留めることなく次の正面打ち一教の表と裏、二教の表と裏をかけた。そして今日の昼間の自主稽古でも行なった三教の表と裏。入身投げ・小手返し、四方投げの表、内回転投げのあとは後ろ両手取りへ取り手が変わる。四方投げの表、入身投げ・小手返し。そう言えば私を見つめるギャラリーの姿が何度も目に入ったはずなのに、技をかけながらも まったく意識にのぼってこない。「肩取り、入身投げ」と内田先生の声が通る。小手返し、四方投げの表、二教の裏、そして座技呼吸法。最後まで焦らず技をかけていく。
 本日の審査がすべて終わると改めて湯浅先生が受けに呼ばれて稽古が再開された。呼吸投げや座技などをして、おしまいは呼吸合わせ・連想行。そのあと内田先生から審査の結果が発表されて夜稽古が終了した。
 道場の掃除が始まろうとするなか、顔見知りの人を見つけては「おかげさまで……」と挨拶してまわっていると逆に何人もの門人の方から声をかけられて途惑った。おめでとうございます、めちゃくちゃカッコよかったですねぇ、心が洗われました、などと。
 清恵先生は稽古の途中で退出されていたけれど、清道館のメンバーと竹下伸代さんと早川知佐さんの姿を見かけて挨拶に行く。何も心配してなかった、淀みなく流れるように動いていた、このあと吞みに行こう、と言われた。
 近所の居酒屋へ直行する。店内が混んでいるので女性たちとは席が別れ、男ばかり6人で祝杯をあげた。盛り上がっているうちに金曜の夜が更けていく。——ふいに左肩を叩かれて振り向くと、ちょうど竹下さんと一緒に帰るところの〈とある先輩〉から「おめでとう!」と祝福された。
 いつの間にか、2級審査まで通過していた。

お稽古追加のお知らせ 5/20(火)15:00~

5/20(火) 15:00~ 西スポーツセンター(阿波座)でお稽古を追加します。
17:00で終了し、北スポーツセンター(中津)に移動して、18:00~北スポーツセンター(中津)で予定通り稽古します。

西→北のはしご稽古、ちょっとハードかもしれませんけど、場所が取れましたので追加してみました。