「Love Song」(井上 英作)

「Love Song」

明後日、結婚披露パーティーがある。誰に頼まれた訳でもないのに、BGMとして「Love Song」ばかりを集めて、パーティーの最中に流そうと勝手に決めた。僕の悪い癖で、アイデアはいいのだが、そのあとがどうも続かない。暗い青春を過ごしてきた僕には、ハッピーな「Love Song」の引き出しがなかったのである。思い浮かぶのは、自虐的なダンディズムを気取った「Love Song」ばかりだ。まさか、僕のアイドルだった、Bryan Ferryや高橋幸宏の唄う「Love Song」を結婚披露パーティーでかけるわけにもいかない。一生恨まれるのが関の山だ。

毎晩、ユーチューブを睨みながら、時には、カラオケの選曲に脱線しそうになりながらも、苦労に苦労を重ね、遂に、34曲の「Love Song」を選び出した。苦労した甲斐があり、中々の出来に満足している。今、最後のチェックのため全曲を通して聴き直しているところだ。

「愛している」、「好き」、「恋」、「Love」、そんな言葉たちで彩られた曲たちを聞いていると
こちらが気恥ずかしくなってくるが、むしろ、僕の中の「乙女」が発露したみたいで、その方が恥ずかしかったりもする。人からはよく、冷血人間の権化のような言われ方をされるが、実は、僕は大変な「乙女」なのであった。嫁の氷のような視線に耐えながら、いまだに映画「レオン」を観ては号泣し、舌足らずの太田裕美の歌声が大好きな僕は、街を歩いているどの乙女たちよりも乙女だと断言できる。

先日、NHKの番組(「岩井俊二の映画講座」とかなんとか)で、あるコメンテーターが言っていた。
「男ほど乙女な生き物は、この世にいない」。

名言である。

一曲でもいいから、お二人の記憶に残ってくれれば、曲を選んだ僕としては、こんな幸せなことはないと思うのだが、欲張り過ぎだろうか。