12/6 多田先生講習会

12/6(日)

多田先生の凱風館講習会

この日を一生忘れないだろう。
私にはない、と思っていた。
多田先生の投げ技の受けを取らせていただくことは。
今年のパリの講習会で、六方向の転換で一度呼ばれて、手を取らせていただいた。
あの時の感覚ももちろん、ありありと覚えている。
多田先生が女子を受けに呼ばれるのは、六方向の転換やくるくる一教、組太刀などが多く、例外はあるが、投げ技や固め技にはあまり女子をお呼びにならない。
受けに呼ぶのは先生からの贈り物だ、と内田先生が仰ったことがある。
私に贈り物はない。それは私の合気道がまだまだであり、受けが下手であり、稽古が足りないからであり、体格も小さく、女子だし若くないから。
と思っていた。
「井上さん」と多田先生がこちらを見て仰った瞬間、耳を疑った。
でも私のことだった。
両手取り天地投げ。
数分だったが、それから先生が何を仰ったかはよく覚えていない。
覚えているのは投げられた体感と、先生の天の手がくるくると目の端で旋回する映像。
先生の出される両手を、取りに行く。
頭の中で考えていたのはただ、絶対に受けを作ってはいけない、ということ。
大先生が何をするかがわかっても、少しでも受けを作ると激怒された、というお話をされたばかりだった。
先生が方向を変えて手を出された時は、てっきりそこに座っていらした原さんに変わったのだと思って、反応できなかった。
だがそんな私を相手に、手加減はなかったと思う。
畳にのめり込むように落とされる。
吸い込まれるような同化感。
両手に残る先生の腕の柔らかさ。
天地投げとは、こういう技だったのだ。
最初で最後だろう。
私にも贈り物をくださったのだ。
全てが報われたような気がする。
一生の宝物になるだろう。
多田先生ありがとうございました。