「絡まった糸をほどく」  困難な整理(碧さん編)

 いつものように酒を飲みながら、ついに部屋を片付けると決めたという話をしたら、「僕も片付ける!そうや、往復書簡をしませんか」と別館館長からのご提案。

 私は別館館長のように文章がうまいわけでもないし、ダラケた日常を暴露してしまうのもなんだかなと思うが、別館館長の書く文章には興味があった。

 あと、この決心が途中で頓挫しないための保険かな。とりあえずスタートしてみることにする。

 20年来ため込んだものを本格的に片付けをする決心をして、第一日目。
 
 いや、4月から始める計画なので、今日はまだ準備運動段階。どこから手を着けたらいいのかわからないほど、眼前はモノであふれている。ゴミの中で暮らしていると言っても過言でないほど。

 流行りの言葉では断捨離というのかな、でももうすこし違うニュアンスもあるけど、とにかく今まで蓋をして忘れようとしてきたものを全部開いて、向き合って、残すものと捨てるものに分けて、片付けようと決めた。

 きっかけは、亡くなった祖母が私にくれた手紙を全部見つけたいのと、〇ちゃんの写真を見つけること。

 妹が部屋に「祖母から自分への手紙」を額に入れて飾っていて、とてもうらやましく、私も祖母から何回も手紙をもらっていたのに、この部屋のどっかには必ずあるので、一番懐かしい手紙を探したいなとずっと思ってた。

 〇ちゃんは中学3年生からの友達で、趣味で写真を撮っていて、時々私に写真を送ってくれる。去年の夏「碧に送った〇の写真を自分の営業用に使いたいので、返して欲しい」と言ってきた。四半世紀の間に彼から何度写真をもらったか思い出せないほどで、すぐ見つかった数十枚を持って行ったら「これではない」という。どうやら10年程前の写真らしく、そう言われたらそんな写真もあったなぁとおぼろげながらに思い出すがすぐには見つからなかった。

 「碧にはたいしたものではないかもしれないが、 自分は命を削って写真を撮っている。それを捨てたのか?」、、とのたまう。

 まるで私が大事にしてないみたいに責められて腹が立ち、「私にくれた写真やん。ネガがあるなら現像し直したらええやん。私から取り返すのは諦めて。」と反論した。

 彼も自宅の現像室を使わなくなった今、自分で現像しなおす気力はないみたい。それ以来、音信不通。年賀状も来ない、、ま、いいんだけどね。でもまあ、それ以後、家中に散らばってる〇ちゃんの写真を、ぽつりぽつりと探してる。それをもっと本格的に探そう、、というプロジェクト。

 片付けに話を戻すと、今日はまずはトイレ掃除、、と大掃除並みにトイレを隅々まで掃除して、乱雑な部屋を前に呆然と立ち竦み、まずは衣替えかな、ってマフラーやストールの整理をすることに。そこで、相方のマフラーの紐網の糸がこんがらがってるのを、直す方法をみつけて、毛糸の糸の絡まりをほどいて、引き攣れを直す作業に没頭して数時間。それで午前中終わり。

 午後は、そういえば、ボタン取れかかってたな~って、20年ぐらい来ているジャケットの修繕を。毛玉を切ったりしていて、この人も、私のようなずぼらな人と一緒にならなければもっと身ぎれいでちゃんとした生活ができたかもしれないなぁと気の毒に思う。

 それだけで一日終わってしまった。