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2023年12月24日(日) 西スポーツセンター

稽古納めとなる、本年最後の2部稽古。

1部 剣杖稽古 

剣を振る。右手の人差し指と切先を同化する。切先がどこを切っているかを指先の感覚で感じること。合気道の技は剣術がベースに或る。内田先生もこの頃は、合気道の理合いを剣で説明されることが多い。初心の人も、最初は剣や杖を振るというより、振り回される。剣や杖を腕で振ってしまうからだ。が、半年も稽古していると、だんだんと剣と身体が同化的にになり、連動して動くようになってくる。「剣を振る」というより、剣がフリーフォールで正中線上を落ちてくる。「剣を振りかぶる」というより、剣が身体の正中線上をすっと頭上に上がるのは、腕の力ではなく、全身が動員されることによる。「剣を止める」のは腕ではない、肛門の締めと、「音のない音を聴く」ことによって、全身と剣が下丹田に集約し、その一点に吸い込まれるように剣が止まる。つまり、剣を振る稽古は、剣を強く上手く振ろうとすることを捨てる、心の稽古である。

「横面打ち四方投げの剣」を今年最後の剣の稽古とした。多田先生の基本的な型稽古のひとつ。12月で御年94歳になられた多田先生。11月の剣杖講習会でも稽古したのはこの「横面打ち四方投げの剣」であった。

2部 合気道体術

今年最後は「正面打ち」で納めることにした。正面を打ってくる相手の手を、避けようとしない、斬り下ろそうとしない、手をかけて引っ張ろうとしない、相手を投げようとしない、「やった感」を求めない、相手に技の効きを確かめない、光の線で弧を描く、遠くへ光の線を刺す、、、全ては心の稽古である。我執を捨てる稽古である。心と体は密接につながっている。脳は身体に単純な動きしか命じることができないが、心は自然な、複雑な動きを身体に誘導する。来年も引き続きそれを稽古していく。

まだまだ道は遠いのである。

みなさん、来年も楽しくも深くて遠い、合気の道を共に行きましょう。

今年一年、ありがとうございました。